データとエンジニアリングのよもやま話

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No.28 Book Review 2

前回は、ポートフォリオの初歩の初歩を書きましたが、
再度、書籍レビューの回とします。(マーコヴィッツは次回かな。笑)

前回、この本を取り上げましたが、ようやく読み終えました。

ザ・クオンツ  世界経済を破壊した天才たち

ザ・クオンツ 世界経済を破壊した天才たち

今回は、そのレビューです。

内容は、序盤でこそ、「ディーラーをやっつけろ!」で有名なエド・ソープのカジノ、マーケットでの成功物語が紹介されていますが、その後は、4人のクォンツの青年時代からウォールストリートで、
トップのファンドマネージャへ登りつめる様子が描かれています。

こちらの本は、結構有名みたいですね。。

ディーラーをやっつけろ! (ウィザードブックシリーズ (109))

ディーラーをやっつけろ! (ウィザードブックシリーズ (109))

  • 作者: エドワード・O・ソープ,増田丞美,宮崎三瑛
  • 出版社/メーカー: パンローリング
  • 発売日: 2006/10/11
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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さて、その4名とは、彼等のことです。彼等4人が、本書の中心人物です。

ピーター・ミュラー

ケン・グリフィ

クリフ・アスネス

ボアズ・ワインシュタイン

4名のファンドは、いまだ健在のようですね。(凄いですね!)

彼等4人は、大学在学時から経済・金融の才能を開花させ、1990年代、2000年代初期にかけて、
躍進していく。そして、2007、2008年の金融崩壊に突き進んでいく様子が4人を中心に展開されていきます。

ところで、90年代といえば、、あのLTCMの崩壊がありましたね..

実は、以前に、LTCMの興亡を描いたノンフィクションを読んだことがあります。

最強ヘッジファンドLTCMの興亡 (日経ビジネス人文庫)

最強ヘッジファンドLTCMの興亡 (日経ビジネス人文庫)

こちらは、敏腕トレーダー、ジョン・メリヴェザーを中心にLTCMがつくられ、崩壊するまでを、時間軸を追って、丁寧に書かれていますが、結構カタイ本だったり..(苦笑)

ザ・クォンツのほうが読み易いと思います。

ただ、後半の崩壊に至るところは、「LTCMの興亡」と同様、上記4人中心というよりは、幾分、時間軸の流れに沿った形での記述が多くなってきます。(それでも読み易い)

2000年代に入るまでに何が金融の世界(ウォールストリート)で起こってきたのか、クォンツは、
どう関わってきたのかを知りたければ、ぜひ読んでみると良い一冊かと思います。

別のエントリで、「ポートフォリオ」について、ボチボチ書いていますが、現代金融論については、
もう少し整理していきたいところですね。

補記

ちなみに、本書の序盤で紹介されているバートン・マルキールの書籍も一読の価値があります。

ウォール街のランダム・ウォーカー <原著第10版>―株式投資の不滅の真理

ウォール街のランダム・ウォーカー <原著第10版>―株式投資の不滅の真理

こちらもおススメですよ!(もう、金融系の読み物のオンパレードだな..笑)

物理学者、ウォール街を往く。―クオンツへの転進

物理学者、ウォール街を往く。―クオンツへの転進