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No.39 Book Review - A Textbook of US Stocks

最近は、米国の株式市場は、下落傾向ですね..
今年初の書籍レビューは、株に関する本について書いてみたいと思います。

今回は、以前から気になっていたこちらの本を読んでみました。

サマリ

  • 米国株式投資の初級〜中級者向けの書籍
  • 「教科書」と銘打っているだけあって、この一冊だけで、投資に関して、広範囲に網羅されている
  • 株式の基本から、つみたてNISA、iDeco、米国の経済指標まで幅広く描かれているので、
    これから株式投資を始める人は、まずは、この本を読むと良さそう

本書の構成

本書は、下記のような構成になっています。

  • 0時限目 株や投資について知っておこう
  • 1時限目 米国株に投資すべき理由
  • 2時限目 アーリーリタイアのための私の米国株投資スタイル
  • 3時限目 プロに負けないインデックス投資
  • 4時限目 積立・長期投資を可能にする投資の考え方
  • 5時限目 米国の個別株やETFを買ってみよう
  • 6時限目 証券口座を開設して米国株投資を実践してみよう
  • 7時限目 つみたてNISA、iDecoで長期の視点で積み立てよう
  • 8時限目 米国株に必須の経済統計と使える情報源

上記のように、0時限目で「株」や「投資」(の基本) から始まっているので、株取引が始めての方でも、
とても読みやすい構成になっているかと思います。 既に、株取引に経験があるのであれば、5時限目から読んでも良いかと思います。

本書の良い点

個人的には、よく利用される PERPBREPS が整理されているのは、とても有用だと思いました。
これらの指標は、投資の際にチェックされる指標だと思いますが、分かりやすく説明されているので、
ある程度、投資に慣れている方でも、復習になる内容だと思います。

また、以下についても記載があるのは非常に実用的だと思いました。

  • 米国での配当への二重課税を取り戻そう (本書198ページ)
  • 景気がわかる、株価が動く さまざまな統計を覚えよう(本書228ページ)

実際に、米国株を取引されている方はご存知だと思いますが、米国株の配当には、米国での課税*1
日本での課税の両方で課税されるため、二重課税 が発生します。
米国での課税は、特定口座、一般口座、NISA口座に関係なく課税されるので、米国株投資をする際は覚えておきたい事項です。

NISA口座以外では、二重課税が発生しているわけですが、確定申告することで、米国での課税分を取り戻す*2ことができます。

つい昨日も、米国の消費者物価指数や失業保険継続申請件数等の指標が発表されましたが、
そういった経済指標も本書では記載されているので、有用性の高い本だと思います。

jp.investing.com

本書の最後の方には、米国株に関する情報源として、幾つかのサイトやツールが紹介されているので、 色々とアクセスしてみると面白いかと思います。 個人的には、Portfolio Visualizer*3 は初めて知ったのですが、バックテストが簡単にできるので、時折、利用してみようかと思いました。

最後に

非常に読みやすいので、数時間ぐらいで、基礎知識のインプットができる構成になっているようです。 株取引をこれから始める方も、既に取引をしている方も、一度は読んでおいて良い本かと思います。

*1:配当金の10%が課税される

*2:国税額控除。ただし、課税金額の全てを取り戻せるわけではない

*3:https://www.portfoliovisualizer.com/